人妻たちの饗宴 The Old Crow Bar (1)
無料連載の官能小説です。郊外のバーを舞台に、マスター裕次と、さまざまな人妻たちの関係を描きます。
NTRばっかり書きすぎるとストレスがたまるので(笑)、王道のハーレム型官能小説を目指しました。しかし、人妻と着衣の描写にはこだわったつもりです。
連載終了後、まとめて電子書籍として発行の予定です。その時には、こちらは引き上げますので、ご了承ください。
下の続きを読むからご覧ください。
(Photography by Orion Freeman , Creative Commons)
『人妻たちの饗宴―The Old Crow Bar』 (1) 沢見独去
1 沙織
男の名前は裕次、四十歳だ。
しかし名前を呼ばれることはあまりない。なぜならば、マスターと呼ばれることがほとんどだからだ。
彼は、バーを経営している。
場所は都心からは少し離れた郊外の住宅地。その私鉄駅の前のロータリーの一角に、古びた鉄筋コンクリートの五階建てのビルがある。そこの、歩道から直接入れる半地下になった部分が、彼の店だ。
店内には低くブルースが流れている。
木のカウンターに八席。カウンターの前に四人がけの高いテーブルが二つ。それだけが、彼の店だった。
店の名前は「オールドクロウ」。好きな酒の名前からとった。
唯一の装飾品である木彫りのリアルな等身大の烏が、入口のドアの上の棚から店内を見渡している。
都心のバーで十数年修行して、生まれ育ったこの街で独立した。
結婚は若いときにしていたが、二年ほどで破綻した。両方の浮気が原因だった。
今は特定の恋人も作らず、気楽に独身生活を続けている。
バーの入口は、磨りガラスがはめこまれた重厚な木のドアだ。磨りガラスにはアルファベットの筆記体で「The Old Crow」とエッジングされている。
そのドアが開いて、カランカランとドアベルが鳴る。
今日初めての客が、入ってきた。
黒の長い髪。中心より少し右側で分けたワンレングスで、毛先は大きくウェーブしてボリュームを出している。
細い顔立ちに、大きな目。清楚な趣の顔立ちだった。唇にはピンクの光るルージュ。
薄いラベンダー色のカーディガンを羽織っている。前身頃が大きく三角にあいて、そこからぴったりとした白のキャミソールが見えている。肩のところは、紐のように幅が狭い。その襟元は上品なレースでかざられている。その乳房は大きい。胸の谷間が、襟元から大きく見えている。
清楚な顔つきと、その肉感的な肢体のアンバランスが、よけいに男の目を引く、そんな風情だった。
スカートは薄い透けるような素材のオフホワイトの膝丈。裾にかけてふわりと広がっている。ストッキングははいていない。腰がきゅっとしまっているのが、服を着ていてもよくわかる。
足元は、サーモンピンクのハイヒール。同色の細いバンドが、足の甲のところにあしらわれている。
裕次が声をかける。
「いらっしゃい」
彼女は微笑み、カウンターの奧から二番目の席へと座る。
ふわりと香水の甘い匂いがただよう。
カウンターに置かれた白く細い左の薬指には、銀のシンプルなマリッジリングが光っている。
カウンターにのしかかるような大きな乳房のふくらみが作る谷間が、裕次の正面に見える。キャミソールの肩の部分から、ピンク色のブラジャーの紐がずれて、見えてしまっている。
それは、思わず生唾を飲みこむほどの色気のある姿だった。
彼女の名前は沙織。三十一歳の人妻だ。
「ギムレットください」
「いつものようにライム多めでいい?」
「うん」
裕次はシェーカーにジンとライムジュースを入れ、手際よくシェークする。カクテルグラスに注ぎ、ライムを薄くスライスしたものに切れ目を入れ、ふちに引っかける。
すっと木のカウンターを滑らせて、それを彼女の前へと運んだ。
その手に、指輪をはめた沙織の左手が、そっと重ねられる。
「隣へ来て、マスターも何か飲んで……」
彼女とは数ヶ月前に男と女の関係になった。夫が中央省庁の官僚で留守がちで、子どももなく、寂しがる彼女を慰めているうち、自然とそうなった。
たまに夫が出張に出て家にいない時などは、閉店間際にふらりと現れる。店を閉めたら、二人でラブホテルに行って愛し合う。
そうやって沙織は、夫に相手にされない三十の女盛りの肉体を、裕次の体でまぎらわせていた。
裕次にとっても、後腐れのない彼女との関係は、居心地のいいものだった。
隣の席でバーボンソーダを飲み始めた裕次に、沙織は寄り添うようにして、肩に頭を預ける。
「今日は、夫が帰ってくるの。遅くまではいられない……。久しぶりにマスターにかわいがってほしかったけれど」
「……じゃあ、ここでかわいがってあげるよ」
外からは磨りガラスのため、中は見えない。それをいいことに、横から裕次は沙織の唇を奪う。
「ああんっ」
体を両手で引き寄せると、自然にスツールが回って体がこちらを向いた。
彼女の口の中に舌を差し入れる。体を許しあった男女だ。すぐに彼女の舌が裕次の舌先にからみつく。彼が舌をひっこめると、後を追うように今度は沙織の舌が、口の中へと侵入する。彼女の唾液が、舌を伝って流れてくる。それは甘美で、ジンの香りがした。
互いに顔を傾けあい、舌で口内をまさぐりあって、情熱的なキスを交わした二人は、やがて唇を離す。ふたりの唇の間に、唾液の糸が一筋引いた。
「あん、もう……お客さんが入ってきたらどうするの?」
ぴったりと胸のふくらみに張りついた白いキャミソールの、レースがあしらわれた胸元を、指先を引っかけて少し引っぱる。ハーフカップのブラジャーが見えた。丸く大きな白い乳肉が、きつそうにその下着におさまっている。
「まだ早い時間だから、どうせ客はこないさ」
それに、もし客が入ってきても、裕次の体に隠れて、何をやっているかはわからないはずだ。ドアベルの音がすれば、取り繕えばいい。
裕次は人差し指で、その大きな胸の作る谷間を撫でた。
「やんっ、マスターのすけべ」
人差し指を伸ばして、その谷間にゆっくりと入れていく。そこはやわらかくて、温かくて、少し湿っていた。
しばらく人差し指を出し入れしてその感触を楽しむと、次に両手をひらいて、豊かなふくらみ全体を服の上からゆっくりとやさしく撫でる。その手のひらが乳首のある場所をかすったとき、沙織が秘めやかな声をあげる。
「あんっ」
手のひらを押しつける力を少しずつ強くしていく。胸の柔肉がゆるやかに変形する。
こちらを向いたスカートから見える膝が、もじもじとすりあわされる。
「沙織の胸、いつも大きくてやわらかいね。触るだけでおれ、興奮してきちゃったよ」
裕次は彼女の手を、みずからの股間へと導く。
「やだ」
そう言いながらも彼女の指は、黒の細身のパンツをはいた彼の股間から離れない。
「もう大きくなってる」
形を確かめるように、先から根元まで、指先でその硬くなったものをつまみながら、ゆっくりと動かしている。
「わたしで、興奮してくれてるの?」
「ああ。沙織のいやらしい格好だけで、もうびんびんだ」
手全体で、裕次のペニスを強く握ってくる。
ブラジャーのカップと、布地を通して、乳首が固くなっているのがわかる。そこを中心に両方の手のひらで胸を刺激する。
「あああっ……」
沙織は目を閉じ、眉を少し寄せた。
裕次は左手を、スツールに浅く座っている彼女の細い腰にあて、そこをゆっくりとさする。ときおりその手を下へとすべらせて、やらからな尻肉を撫でる。
そうしながら、もう片方の手をきちんとそろえられた形のいい膝小僧に乗せ、そのあわせ目に手のひらをこじ入れる。
「ああんっ、こんなところで……だめっ」
沙織は膝をきつく閉じあわせて、手のひらを挟みこむが、そのまま裕次の手はすべすべした内ももをゆっくりと奥へと進んでいく。
オフホワイトのゆったりとしたスカートが乱れ、彼女のやわらかそうな太ももが半分以上あらわになる。
とうとう裕次の手が、最奥の密やかな最後の下着におおわれた場所へと、到達する。
沙織がかすかに両足を開く。
中指を、ショーツのクロッチにそって、やさしく動かす。そこはもう、十分に湿り気を帯びていた。
「もう、濡れてるじゃないか」
「やんっ……こんな、こんなところで、マスターがするからっ」
「誰かに見られそうなところですると、沙織は興奮するのか……」
「そ、そんなこと、ありませんっ……ああああんっ」
沙織の裕次のペニスをパンツ越しにこすり立てる指の動きも、激しくなっていく。ぎゅっと力を入れて竿の部分をつかんだかと思うと、亀頭を二本の指でこすり上げる。しびれるような快感がペニスから込み上げてくる。
裕次も、彼女の割れ目に沿わせて蠢く指先に、力を入れていく。ショーツの股布がよじれ、どろどろになった膣穴に埋まりそうになる。
彼は顔を沙織の胸元によせ、白いキャミソールから出ている乳房の上部と、深い谷間を、唇でついばみ、舌で舐める。
「あああんっ! だめえ」
片手で彼の頭を抱きかかえ、スツールの上の尻を振る。
ゆるやかに送りこまれる快楽に、沙織の顔は桃色に染まり、それに支配されようとしていく。
「マスターの指、感じるっ」
「沙織の指もいやらしいよ。もっといっぱい動かしてくれ」
沙織の片方の手が、彼の白いカッターシャツの胸を這いまわり、小さい乳首の突起を見つけて、それをひっかくように愛撫する。
裕次は、ショーツのクロッチの部分をずらし、蜜口へと中指を埋めこんでいく。その中はもうぐっしょり濡れていて、指の挿入にあわせて絡まるように膣壁が収縮する。その締まった穴を、中指をこじるように出入りさせると、沙織は甘い声を上げた。
「はああぁっ……だめっ……あああんっ、感じちゃうっ」
スカートに隠された腰が前後にうねり、体全体をかすかに震わせる。
「……乳首も……ああっ……わたしの乳首も舐めてぇ」
沙織はもどかしげに裕次の乳首を愛撫していた手を離し、左右の肩紐をずらすと、キャミソールとピンクの下着を一緒につかんで、それを引っぱり降ろした。豊乳が半分まろび出て、その先端には桜色をした乳首が、勃起している。
裕次は彼女の膣に突っこんだ中指を激しく動かしながら、すかさずそれに吸いついた。
こりこりとしたグミのような感触の沙織の乳首を、舌の先で転がすように舐める。
そこは少し汗の味がした。
乳首が長く伸びるほど強く吸いついて、うっすらとそこに歯を立てる。
沙織は乳首を吸われるのが弱かった。ここを責められると、いつも甘い声を出してよがるのだった。
彼女は腰を大きくグラインドさせる。
「ああああああっ……やっああああんっ……乳首感じるっ」
深く差しこんでぐねぐねと動かしていた中指を抜き、今度はクリトリスをなぶる。そこはたっぷりの愛液に埋もれて、固く尖っている。その蜜をなすりつけるように、彼女の敏感な突起を責めると、裕次のものを愛撫していた手も離してしまって、両手で彼の頭を強く抱きしめた。
「だめえ……ああああっ……そんなっ……感じる……ああああああぁぁ、あんっ!」
バーのスツールの上で、彼女は達した。体を痙攣させながら、裕次に両手で抱きつき、しなだれかかった。
もうスツールは、彼女の愛液でびっしょり濡れている。
(つづく)
↓気に入っていただけたら、クリックしてください。作者がしっぽを振って喜びます。
- 関連記事